D.O. 「加奈~いもうと~」
高校生の藤堂隆道 (主人公)と、2つ年下の病弱な妹・加奈。入退院を繰り返す加奈と 患者達の交流、彼女を大切に見守る自分、そして疼く 幼い日の恋の傷…。
きょうだいと、彼らを巡る人々の交流・成長を描いたビジュアルノベルです。
上記のパッケージを見て「お、なんかエロそう」って購入した人は、内容の重さに打ちのめされたのでは…!
後の移植版・リニューアル版の方が、パッケージが雰囲気に合ってると思う。
閑話休題。
画面いっぱいにCGが表示され、その上に出てくる文章を ポチポチクリックして進め、ときどき選択肢が現れて…という、お馴染みの形式。選択次第でエンディングが6種類に変化します。
各種ゲーム年表などに、「泣きゲーの金字塔」として登場することが多い作品です。たしかに…重い、重いよ…!
愛する妹は重度の腎臓疾患だし、末期ガン患者も出てくるし、主人公の恋愛のトラウマも痛すぎる…。
テキスト自体は、「ちょっとシリアスめ」程度の雰囲気で、それほど 文章が硬かったり重かったりするわけじゃないんだけど…そういう問題じゃねぇっすよ…。
私は、エンディングを3つほど見たところで断念してしまいました。これ以上はもう無理…。
コンプできなかった理由は、上記の「辛さ」もそうなんだけど、他にも気になるところが多くて。
ひとつめは、特徴的なCG。
同作品をプレイした友人達は「最初はちょっと違和感があったけど…慣れるよ?」って言ってたけど、私はダメでした。CGが特徴的な作品(「腐り姫」とか「kanon」とか)でも、合うものは合うんだけど…なんだろう。致命的に相性が悪いみたい。
ふたつめは、語りの多くが過去形であること。
全体が暗示的過ぎてしまうし、「すでに起こったはずの出来事を、プレイヤーが随時選択し、その選択によってストーリー(現在)が変わる」という構造上の矛盾にも、猛烈な違和感を覚えてしまいました。
みっつめは、「選びたい選択肢がない/選択したいところで選択肢がない」ところ。
「この人を振りほどきたいのに…どうして抱かなきゃいけないのさ…」なんて場面が多くて、とてもストレスフル。むーん…。全体的に、文章のセンスが ちょっと合わないのかなぁ、とも思います。
結論としては、「良作だけど好きじゃない」感じ。ほんと、相性の問題なんだろうな。
以下、見たエンディングのお話など。ネタバレも含みます。
ED2・追憶(ペンダントのED)、ED4・雪(お花が咲くED)、ED6・今を生きる(本を出版するED)…を見たと思います。
感想欄には「なんで夕美を拒絶できないんじゃあ!」な感じのことを書いてしまいましたが、一度クリアしたら 夕美も嫌いじゃなくなりました。むしろ加奈より好きかもしれない。健気というか…不運というか。うん、けっこう好きだ。
…だけど、やっぱりそれはそれとして、「(大学生になっても)拒絶したまま」という選択肢は欲しかったなぁ。(バッドエンド一直線になってしまいそうだけど…。)