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本条蔵 -ホンジョウゾウ-

本やゲームなどの感想です。まだまだ移行作業中。概ね敬称略です…。

森見明日 「えーぶいカントク 1」

赤木郁乃は、妄想癖のある女子大生。
そんな彼女は、あこがれの従姉妹であるAV制作会社社長・碧に妄想日記を読まれたことがきっかけで、AV監督デビューすることになるのだが……?

「銭」(鈴木みそ)のような、業界裏側系漫画を想像していたのですが……違いました。どちらかというと「快感・フレーズ」(新條まゆ)でした。
ドジっ娘な主人公が、ひたすらエッチな妄想を繰り広げるというテイスト。

撮影現場でも、主人公はトリップしてばかり。キミ、大丈夫かね?
現場の小ネタ、的なものはあまりなくて、「人間関係が微妙だったけど、主人公の天然っぷりが功を奏して、全部なんとかなっちゃいましたー」風味。

作者は、実際にAV女優さんに取材をして描いているそう。
たしかに、映像編集(シーンの切り貼り)のくだりなどは妙に細かかったし、そういった意味では業界裏側系漫画なんだけど。
なにせ、妄想が多い多い。個人的に、天丼系のラブコメ全般が苦手なので、そのノリを楽しめなかったです。妄想と現実の境目も分かりにくいしなぁ。

ただ、主人公が終盤閃く、(ネタバレなので反転)「女性向けの、ヤられてる女性側の思考を音声ではなく文字(テロップ)で表現する」AVというのは、ちょっと目から鱗でした。
実際にそういう商品って、あるのかなー。詳しくないのでわからないけど。
というのも、「漫画や映像より、活字の方が興奮するよねー」という女性は結構多いんすよ。あくまで本条友人調べ(ゲーマーと読書家が多い……)なので、信憑性はアレだけど。
あと、超個人的な好みだけど、基本、女性が喘ぎすぎたり実況しすぎたりすると白けちゃうタイプなので、作中作みたいな方がたぶん楽しめそう。

というわけで、求めていたジャンルの作品ではなかったのだけど、得るものがあったといえばあった一冊でした。
二冊目以降を買うことは、まぁないだろうけれども。