本条蔵 -ホンジョウゾウ-

本やゲームなどの感想です。まだまだ移行作業中。概ね敬称略です…。

えすのサカエ 「ビッグオーダー 2」

十年前、世界は謎の大破壊現象によって一度滅亡しかけた。
多くの犠牲を出しながらどうにか持ちこたえた この世界には、それ以降、「能力者(オーダー)」と呼ばれる特殊能力者が次々に現れるようになった。その数は、世界中で約二千人と言われている。
そんなオーダーのひとり・星宮エイジは、九州のオーダー集団「十人衆」に脅迫され、「新世界の王」として世界に宣戦布告する羽目になってしまのうだが…。

自分の能力によって「大破壊」を引き起こしてしまったという負い目をもつ少年・エイジが、傀儡の王となってクーデターを起こす、能力者バトル漫画です。

2巻では、本州攻略の手始めに、山口を統べる石化のオーダー「猛々しき石神(ヘヴィロックスター)」を倒す計画が発動します。
…ネーミングの厨二臭には突っ込んだら負けなのです。というか、「十人衆」の構成員も「柊義経」とか「鳴神弁慶」とかだからね!

強力な敵オーダーをどうやって倒すか、という頭脳戦・能力戦も見物なのですが、それ以前にまず「誰がエイジの敵なのかわからない」。
エイジは、「十人衆」直下の少女・紅鈴(くれない りん)と行動を共にしているものの、彼女は「十年前の大破壊で家族を失い、その仇であるエイジに復讐することを公言している」かつ「エイジの能力による縛りを受けたため、エイジを直接は傷つけられない」という非常に危ういポジションで。隙あらば主人公を殺りたいヒロイン。前作「未来日記」のヒロイン・我妻由乃とはまた別の意味で、非常に病んでる感じです。

そんなこんなで、言わば非常にとっちらかったバトルなのですが、パワーがあります。
主人公・エイジも、「負い目を抱えて」はいるけれども、思い切りがよくて度胸もあるので、これまたパワフルな感じ。