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本条蔵 -ホンジョウゾウ-

本やゲームなどの感想です。まだまだ移行作業中。概ね敬称略です…。

Innocent Grey 「カルタグラ ~ツキ狂イノ病 ~」

時は昭和初期、戦後の混乱が残る 上野の街…。
遊郭・雪白(ゆきしろ)に居候する青年探偵・高城 秋五(たかしろ しゅうご)は、かつての上司である刑事・有島から、ある良家の息女失踪事件についての捜査を依頼される。
そして同じ頃、街は連続猟奇殺人事件の影に怯えていた…。

上記のリンクは廉価版ですが、私がプレイしたのはこちらのオリジナル版なので、もしかしたら微妙に内容が違っていたりするかも。
警告:アダルトコンテンツ

他に、各種移植版や同梱版も出てるみたい。
カルタグラ~魂ノ苦悩~ (2800コレクション) 和み匣 なごみばこ|購入特典 テレカ|メディアランド 杉菜水姫 イノセントグレイ Innocent Grey premium box 「PARANOIA(パラノイア)」


【システム】 ★★★★★☆

既読/未読判定あり(既読部分は自動でメッセージが早送りされる)、キャラ毎に音声のオン/オフ設定可能、選択肢画面でもセーブ可能、等々、上々の快適プレイが可能です。


【文章】 ★★★☆☆☆

誤字脱字率はかなり高いです。単純な誤変換に始まり、「○○(妹)は××(兄)の妹で…」となるべきところを「××(兄)は○○(妹)の妹で…」と記述してしまっているようなミスまでいろいろ。


【ストーリー】 ★★★★☆☆

「ミステリ」というよりは、「サイコサスペンス」や「しっとりとした恋愛劇」としての方が魅力的かな…。これについては、ネタバレ欄でもう少し触れます。

すべての謎が解ける真のエンディングがひとつ、バッドエンド・デッドエンドが幾つか、数名のヒロインとのハッピーエンドやノーマルエンドが3種類程度、あります。(私は バッドエンドかノーマルエンドをまだひとつ見てない)

ストーリー展開のテンポや、各エンディングは けっこういい感じなのですが…ストーリー分岐と各ヒロインエンドが 圧倒的に足りていない気がします。
「なぜこの人が助かるルートがないんだー!」とか悶えながら反復プレイしていました…。このあたり、コンシューマー移植版(「カルタグラ 魂の苦悩」)では どうなっているのかしら。


【キャラクタ】 ★★★★★☆

主立った登場人物を ざっとご紹介。

秋五…主人公の青年。遊郭の居候で探偵。やや頼りない。
和菜…捜査パートナー的メインヒロイン。おっちょこちょい、前向き、天然。
由良…失踪中。ミステリアス。
有島…元上司。渋い、苦悩するオジサマ。
冬史…裏の世界の仕切り役。隻腕。
雨雀…雪白の経営者であり、情報屋であり、かつて遊女でもあった姐御。
凛 …雪白の遊女。屈託がなく、やや悪戯者。
乙羽…雪白の遊女。キツい性格。
初音…雪白の下働きの少女(遊女見習い)。健気。
七七…主人公の妹。一人称・ボク。頭脳明晰だが性格に難あり。
楼子…七七の学友。おっとり天然。

ヒロインの和菜がややうるさくて ちょっと疲れる点、主人公の秋五が やや頼りなく 時折冗談などが空転しがちな点以外は、とても魅力的なキャラクタ勢でした。ネーミングセンスが、またすごく好み…!


【CG】 ★★★★★★

今までプレイしたゲームのなかでも、かなり上位に食い込む美麗さでした。時代と場所柄、和服のひとが多いのも素敵…。
凄惨な事件現場のCGであっても、迫力と共に 美しさを感じてしまうくらい。素晴らしい!


【音楽】  ★★★★★★

メニュー画面BGMの「慟哭」、回想シーンなどのBGM「月の涙」、スタッフロールの「久遠…」などなど、魅力的な楽曲が多かったです。
遊郭のBGMなども、それぞれ シーンにマッチしていて 良かった…。


【エッチ】  ★★★★★☆

各シチュエーションがとてもよい感じです…が、各エッチが佳境に差し掛かると 必ず「中」か「外」かの選択肢が出てきて、それが逆に醒めるような、煩わしいような。
しかもこの選択、分岐でもなんでもないんだぜ…?


【総評】   ★★★★★☆

要所要所に(いくつか致命的な)ツメの甘さはあるものの、トータルではかなり上質の作品だと思います。コンシューマー移植版の方も気になります…。


以下、ネタバレ(真相バレ)を含みます。




一部のネタバレは文字色を反転しておきます。

途中で 「姉妹の入れ替え」トリック(秋五の隠れ家に、和菜のふりをした由良が出入りする…)が使われているのに、「実は姉妹で目の色が違うんです」というのはナシでしょう!

あと、動機である「由良の鬱積した恋情と憎悪」が、あんまり伝わってこなかった(和菜に対する感情はともかく、秋五への執着が あまりピンとこなかった…)のも、ちょっと致命的かなぁ、と。
それと相互するのだけど、もっと 秋五と和菜の「追いつめられていく(狙われていく)感」が欲しかったかも。

他に不満点は、

  • 凛の助かるルートがない (凛、二番目に好きなのに…!)
  • 凛が助からないことが、事前に明記されてしまっている (「これが彼女を見た最後だった」)(それじゃ、凛を捜しているときの緊張感が無くなってしまう…)
  • 時子の助かるルートがない (時子、三番目に好きなのに…!)
  • 楼子の助かるルートがない (むしろ出てきた意味があまりない…?)
  • オープニング動画で冬史の映像が出てくる (私はOPをちゃんと見ていなかったので、途中まで見事に性別を誤認してて「おーっ」ってなったけど…余談ながら一番好きなのは冬史…)
  • 姉妹入れ替え成功エンドがない(「弟切草」みたいなの!)
  • 居候の秋五が、商品である遊女たちに手を出し過ぎなのはいかがなものか

など。逆に、ここが良かった!という点は、

  • 凛との雪のベンチのシーン(BGMも絶妙!)
  • 冬史の膝枕シーン
  • 七七が朗読する「マリみて」のパロディ
  • 回想シーンでの由良の抑えた嬌声
  • 各種猟奇シーン
  • 遊郭の女性たち全般

かな。