PIL 「地獄SEEK」
獄卒（地獄にて亡者たちを監視する鬼）である主人公は、閻魔大王の妹・ヤーミィの指導の下、亡者たちの拷問を担当することになった。
彼が拷問するのは、若くして亡くなった3人の少女たち……病弱で大人しいが芯の強い少女・桃花（とうか）、無口で憎悪に満ちた少女・留真（るま）、そして陽気で軽く強かな少女・葵。
一ヶ月という限られた期間の中で、拷問によって少女たちの罪を清め、魂を転生させてやることを目的とする調教SLGです。
（注：まだヤーミィしか攻略していないので、今後評価が大きく変動する可能性もあります。）
ゲームの基本的な流れは、
起床
↓
ヤーミィとの会話
（調教進度の確認＆アドバイス）
↓
桃花調教
（会話→（調教種類を任意選択→実行→選択→実行…）→任意終了）
↓
留真調教
（同上）
↓
葵調教
（同上）
↓
就寝
これを約一ヶ月間繰り返します。例外として、稀に特殊イベントが発生して 丸一日潰れたり、休日になったり、夜這いを受けたりすることも……。
ゲーム目的である「少女たちの罪を清め、魂を転生させる」をクリアするためには、彼女たちの「憎悪」を減らし、「忠誠」「愛」などを上昇させることが必要となります。
プレイヤーは それらのパラメーターの増減を、ゲーム中 常に見ることが出来るので、「このキャラは奉仕系の調教で愛が上がる……こっちのキャラは逆に下がって 代わりに忠誠が上がる……」など試行錯誤していくことが 攻略への第一歩となります。
調教が進むにつれて、調教を施したときの少女たちの反応は変化していき、また 選択できる調教の種類も増えていきます（進度が一定以下・一定以上の場合、特別調教イベントも発生）。
会話や調教によって少女たちの心を開くことが出来れば、彼女たちの生前の業を垣間見たり、彼女たちと愛を育んだりすることも可能に。
この「地獄SEEK」が 従来の調教ゲームと大きく異なる点は、少女たちを 文字通り「責め殺す」ことが出来る点でしょうか。一般的なゲームでは 「これ以上の調教は危険です！」と 助手から強制ストップが掛かるような場面でも、容赦なく続行することができます（亡者は“殺”しても、数日で復活）。
従って、「目玉をえぐる」「体を焼く」などの「ありえない」残虐行為も可能になり、また舞台が舞台だけに「触手プレイ」「異形のものと交わらせる」などの非現実プレイも思いのままなのです！素晴らしい。
……と わくわくプレイしていたのですが、なぜかプレイしていて物足りない……。
その原因はおそらく、以下の諸々ではないでしょうか。
1．ヒロインの少女たちがあまり魅力的じゃない。（ヤーミィは魅力的）
2．CGの質がイマイチ。
3．調教時の選択肢が少なめ／難易度もかなり低め。
4．会話内容にあまり魅力を感じない。
5．登場人物たちの心情変化が描写しきれていない。
6．せっかくの地獄なのに、あんまり無茶苦茶してくれない……。
7．調教が目的ではなく手段。
1については、まぁシュミの問題なので置いておくとします。
2については、……これも議論するべき点ではないか。
3については、……パラメーターの数が少なくて、それらの上下動も単純だから、「こっちを上げすぎないようにして……そうするとあっちの数値がマズイから、まずそっちを調節して……」という工夫をしなくても余裕でクリアできてしまう。
あんまり難しすぎても面倒だけど、簡単すぎても興ざめですよねぇ。
ついでに7についても語ってしまうと、この作品は「奴隷に仕立て上げる」ことが目的ではないので、調教が順調であることに対する喜びや達成感が ほとんどないのです。
「生意気なキャラを屈服させてむにゃむにゃ」とか「内気で奥手な少女を開花させてもにょもにょ」という楽しみ方もあんまりできない。
で、4・5については、「どうして主人公とヒロインが惹かれ合うのか」「調教によって少女たちがどう変化しているのか」などが甘い気がします。
会話や地の文にも 工夫や遊びも少なくて、……先にプレイした「ＳＥＥＫ ２ -SADISTIC BABYLON-」や「女郎蜘蛛 ～真伝（まことがたり）～」と比べてしまうせいもあるのかもしれないけど、全体的にテキストがかなり物足りない。
まだヤーミィしかクリアしてないからなのかな？
最後、6について。せっかくの舞台設定なのだから、もうちょっとこう 鋼鉄の処女級の器具とか……拷問大全集というか……むしろ「いかに殺すか」くらいでも……ねぇ？
それどころか、少女たちとラブラブになるためには、（3人のうち誰を攻略するかに関わらず）「地獄の亡者を人間不信・他者拒絶から立ち直らせる」というパターンでやっていかなければならなくて、……それって、好き勝手できるはずの地獄でわざわざやりたいことか？と。
一言でまとめると、「せっかくの地獄なのに、なぜ簡単調教？ なぜ純愛＆信頼メイン？」。むー……。
