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本条蔵 -ホンジョウゾウ-

本やゲームなどの感想です。まだまだ移行作業中。概ね敬称略です…。

Liar-Soft 「腐り姫」

腐り姫
腐り姫
posted with amazlet at 13.05.18
Liar-Soft (2002-02-08)

不幸な事故によって、自らの過去の記憶と、家族とを同時に失くした主人公の少年・五樹(いつき)。
夏休みを利用して、彼は 義理の母親・芳野と、その娘・潤と共に、生まれ故郷である 田舎の町「とうかんもり」に帰省し、自らの記憶を取り戻そうとする。
「とうかんもり」に着いた翌日、五樹は 死んだ妹と瓜二つの少女・蔵女(くらめ)と出会う。迷子として彼らの家に居候することになった蔵女だったが、やがて、彼女の周辺の人々の運命が軋み始め…。

シリアスな和風怪奇ビジュアルノベルです。純和風SF。

4日間を終えると なにがしかの結末に辿り着き、また1日目に戻る、という特徴的なシステムです。
1周目、2周目…とストーリーが大幅に変化し(周回ごとにヒロインが変わる感じ)、やがて、「自分が同じ(ようで微妙に違う)4日間を繰り返している」ことに気づいた五樹が、その原因を探ろうと動き始め、最後に全ての記憶を取り戻す…という。

ライアーソフトの作品は「行殺!新選組」以来で、あの作品とは雰囲気が違いすぎてクラクラしました。
だってあれ、新撰組女性化だよ?「芹沢鴨」が、金髪ボインの「カモミール・芹沢」になってるんだよ?

閑話休題。

テキストが素晴らしい作品です。
テンポが良いというか 引き方が巧いというか、何時間やってても飽きがきません。…ただ、きりこさんのえっちシーンだけはちょっとどうかと思いましたけど。
(そんなに実況してくれなくていいよ!)
(でも、えっちシーン自体はどれもわりと濃ゆいから、実用性も高い気がします。)

ストーリーも素敵です。
主人公の過去があまりにあんまりな気もしますが(女運が…悪すぎ…です…)、和風怪奇ならではの じんわりとした怖さがたまりません。
タイミングで驚かすのではなく、「言動の違和感」などを元にした、じわじわと染みてくる怖さ。

音楽や効果音は、もう、すごく、すごくいいです。
物語の世界観にぴったりで、相乗効果が恐ろしいことになってる。今までプレイしたゲームの中でも、3本の指に入る素敵楽曲です。
特に「翠の森」「とうかんもり」「樹里のテェマ」「腐り姫の伝説」あたりが、もう神!「神」って表現、逆に軽薄な気がしてあんまり使いたくないけど、使わざるを得ない。
(この記事、2013年に加筆修正してるのですが…それでもまだ3本の指に入ったままです。)

そして、イラストは…人物イラストが…独特…というか…。
腐り姫〜euthanasia〜
芳野さんとか 別の意味で普通に怖いし!
背景はとてもいい雰囲気なのですが…まぁ、このシナリオで リアルな3D風人物CGとか使われちゃった日には、迫力ありすぎで泣きたくなりそうですけど。
でも、プレイしているうちに馴染んでくるというか。「この世界はこの絵で表現されるべきなのでは」という心持ちがしてきました。
そして10年後、「STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)」で同じ気持ちを味わうことに。
想定科学ADV『STEINS;GATE(シュタインズゲート)』公式Webサイト

攻略のヒント、という程でも無いのですが、「盲点機能」(ヒントコーナーを兼ねた、本編のパロディ&意味無しどんちゃん騒ぎコーナー)をONにしないと、CGをコンプリートできません。
あのノリに「ああ、やっぱりライヤーソフトはライアーソフトだった!」と嬉しくなった反面、「作品の雰囲気がぶち壊しだよ…」と脱力したり。何周かプレイしてから、盲点をONにした方がいいかも。
ちなみに、コンプリートすると、ちょっとしたおまけがありますよ!

今DL販売されている版では修正済みかもしれませんが、オリジナル版には、「公式サイトから修正ファイルをダウンロードしてこないと、第2殻(≒第2章)で止まって先に進めなくなる」というバグがあるので要注意です。
この修正ファイルによって、「記憶を失う」(≒周回プレイ)後も、テキストの既読/未読判定が引き継げるようになりました。

余談ながら、このゲームで「時間の檻の中でぐるぐる」ゲームの魅力に取り憑かれてしまって、その後「教えてgoo」で、こんな質問を投げてみたことがあります。
主人公が「同じ時間軸上でループする」ゲームを探しています。 (1/2) - その他(ゲーム) - 教えて!goo
「シャドウオブメモリーズ」と「あの、素晴らしい  をもう一度」、面白かったです。教えて下さった方、ありがとう!

以下、ネタバレを含みます。


母様が井戸でブツブツ…の真相が、とても印象的で好きです。
終盤(未来編)が ちょっと壮大すぎるかなーという気もするし、いろいろ微妙に矛盾している点もあるのだけれど、そういうところも含めてこの作品を愛しているのかも。「だが、それがいい!」というやつですね。どの結末もどの小筋も、すごく好き…。

それはそうと、きりこさんって、ほんとに五樹の彼女だったのでしょうか?
(どうも、記憶喪失の混乱に便乗して 嘘付いてるような気がしてならない)