本条蔵 -ホンジョウゾウ-

本やゲームなどの感想です。まだまだ移行作業中。概ね敬称略です…。

水城せとな 「失恋ショコラティエ 6 」

失恋ショコラティエ 6 (フラワーコミックス)

失恋ショコラティエ 6 (フラワーコミックス)

高校時代の失恋を引き摺るショコラティエ・小動爽太(こゆるぎ そうた)が、自分のお店「ショコラヴィ」を開店して一年半。
爽太の失恋のお相手(?)である女性・サエコは、相変わらずお客として時々店を訪れていた。
そんなある日、爽太はセフレのえれなに、「サエコにもう一度告白して、ちゃんと振られてくる」と宣言するのだが……?

爽太の妹・まつりは、元カレへの未練を断ち切れない。
爽太を密かに思い続ける店員の薫子は、えれなの存在と、自分の不甲斐なさにイライラを募らせる。
同じく店員のオリヴィエは、自分の恋愛に確信が持てず、好きなはずの相手につい駆け引きを仕掛けてしまう。
良きライバル店である「リクドー」の店員・関谷は、薫子からのメールに返信せず及び腰。
そんな、それぞれの恋模様が錯綜する一巻です。

さっき昼寝をしてたら、リクドーさんのお店にチョコを食べに行く夢を見ました。
はよ感想を書けということですね、そうですね。
……恋愛模様も気になるけど、本当にどれも美味しそうなんだ、作中のチョコが。「赤ワインとハチミツの効いたイチジクがゴロッと入ってる大振りチョコ」とか!「カリカリのほろ苦キャラメルの入ったボンボン」とか!

閑話休題。

既に人のモノでありながら、爽太に絶妙な駆け引きを仕掛け続けるサエコ。
そんな彼女は、爽太の告白を受け入れるのか?
……受け入れてくれるな!君は心底すごい女性だけど爽太には勿体ないし、えれなさん超いい人だぞ!そして薫子さんも何らかの形で幸せになってほしいです!という局面です。三行目以降、多分に私情が盛り込まれておりますが。

「駆け引き」と書くとドロドロ愛憎劇のようですが、サラッとしたタッチなので、爽やかではあります。
それでいながら、色々と突き刺さる感じ。ちょっとした会話だとか独白だとかが。突き刺さるというか、のたうち回りたくなるというか。

なんというか……「1巻で爽太がオリヴィエ先生の言うとおりにしていれば話は早かったのに!」という気がしないでもないですが、それじゃダメだったんだろうな。
サエコが様々な理想と現実に直面して、疲れてきた今だからこそ隙が生まれてるというか。

次巻は今年の秋冬頃かな。待ち遠しい限りです。

俵万智 「プーさんの鼻」

プーさんの鼻

プーさんの鼻

自分が、結婚以降 短歌から遠ざかってしまった一因は、かつて恋愛がらみの短歌ばかり作っていたもんだから、なんだか立ち位置との折り合いが付かなくなった……みたいなのがあって。

そんな七年間で、ほぼ唯一購入した歌集が、この「プーさんの鼻」。
俵万智ですよ。短歌はおろか本を全く読まない人にまでその名前と第一歌集のタイトルが知れ渡ってて、最近では国語の教科書にも載って(いるらしく)て、歌人・枡野浩一をして『こわいのは生まれてこのかた人前であがったことのない俵万智』と詠ましめる、とにかくそんな俵万智なんです。
1997年に発売されて話題となった「チョコレート革命」以来、8年振りの新歌集。買うでしょ。

……と購入したものの、前述のように何だか「折り合いが付かない」感じで 読みかけては中断したり、結婚当時はまだ「子供」という存在がピンと来ないモノだったり(子供はどちらかというと嫌いだったのです…)、いざ子供が生まれたら生まれたで しばらくは寝不足で頭の中が「寝ろ!寝て下さい!」一色だったり、PC版「シュタインズ・ゲート」(ゲーム)がなかなかコンプできなかったり、「シヴィライゼーション4」(ゲーム)も面白かったり、そんなこんなでまた数年が経ち。

やっと最近、本を読んだり短歌を詠んだりする余裕が出来てきたので、満を持して通読してみました。

厳密には、アレだったりします。
少し前に、(個人的には)難解としか思えない、意味がわかっても良さがわからない、みたいな短歌を幾つかまとめて読んだことがあって。
そんなときに、「やっぱり文語体は難しいにゃー…俵万智みたいな読みやすいのがいいにゃー…」と無性に俵衝動に駆られて読み始めたものだったりするのですが、数首読んで気付いた。俵万智、別に口語一本槍じゃなかった。

朝も昼も夜も歌えり子守歌なべて眠れと訴える歌

文語っぽい表現の歌もそこそこ多いのに、「難しい」「取っつきにくい」印象は皆無。
それだけこなれてる、ということなのかもしれない。

もちろん、口語メインの歌も多いよ。

親子という言葉見るとき子ではなく親の側なる自分に気づく

時差はいつも酒の差としてどちらかが酔ってかけてる国際電話

歌集としてはもちろん、「あるある育児ネタ本」としても面白かった一冊でした。
もはや「懐かしい」の域に達しつつある息子の乳幼児期を思い出しつつ、苦笑いしたり、温かい気持ちになったり。

子供ネタが苦手な方なら、「プーさんの鼻」や「夏の子ども」など、特定の章だけ飛ばしてしまえば、他の歌集と同じように、切なかったり生々しかったりする恋愛短歌や、旅情短歌、家族短歌などがお楽しみ頂けます。
頂けますが、それは「一冊の本の約半分を読み飛ばす」ことと同義だったり…。

子供関連以外の話をすると。
「父の定年」の章は、以前の歌集にも度々収録されていた父親短歌の、アンサーソングのような味わいがあって。
「弟の結婚」は、少しだけブラコン気味と言いましょうか、目出度くも切ない心情が、何とも言えない味わいの章でした。異性のきょうだい、いいなぁ。
それ以外の章は、「少しだけいけない恋をしている」印象の歌が多いかな。
…うん。やっぱり新婚当時に読むべき歌集ではなかったかもしれない。「子供」的な意味でも、「恋愛」的な意味でも。

アンサーソングと言えば、例えば『六年とう月日~』の歌には、『それならば五年待とう~』(「サラダ記念日」)を思い出したり。
実際には関連など特にないのかもしれないけど、「もしかして」と想像できるワードが、幾つかの歌にあって楽しかったです。

恋愛短歌は、例によって「抱く」「口づけ」などが多めではあります。まぁ、恋愛ですし。
それに、L'Arc-en-Cielが「鮮やかに降り注ぐ」のに比べたら全然アレですけど。あ、でもラルク大好きです。CDもかなり持ってるぞ。
http://katuru2ch.blog12.fc2.com/blog-entry-2984.html

閑話休題。

なんだか、「既刊の歌集を読んでることが前提」みたいな感想になっちゃったけど。
初見でもわかりやすいし、洗練されているし、味わい深いし、切ないし、艶やかだし、だけど、既刊作品を未読の方に「最初に手にとるべき俵万智の本」としてプッシュしたいかというと、ちょっと違う気はする。

「これから俵万智の短歌本を読みたいんだけど」という方には、がっつり読みたい場合は「サラダ記念日」か「かぜのてのひら」、サラッと読みたい場合は「とれたての短歌です。」か「もうひとつの恋」をプッシュしたい気持ち。
「とれたて~」と「もうひとつ~」は、浅井愼平の素敵写真とのコラボが美しい一冊です。初めて手に取った頃は、浅井愼平には「象印クイズ ヒントでピント」の印象(最終問題でこのひとがボタンを押すと女性チームに死亡フラグが!)しかなかったのも、良い思い出…。

サラダ記念日 (河出文庫―BUNGEI Collection)
かぜのてのひら (河出文庫)
とれたての短歌です。 (角川文庫)
もうひとつの恋 (角川文庫)

でも、俵万智ビギナーが「幼児を抱えている親御さん」な場合は、猛プッシュしたい一冊です。
「なんで子供はタグをがじがじするのが好きなんだぜ?」みたいな、共感ばりばりの歌が多いよ。

岩澤紫麗 「家電探偵は静かに嗤う。 1 」

家電探偵は静かに嗤う。 1 (チャンピオンREDコミックス)

家電探偵は静かに嗤う。 1 (チャンピオンREDコミックス)

正義感が強く、美人ではあるものの、手が早くてトラブルメーカーな刑事・小野寺アンヌ。
彼女がパソコンの修理に訪れた「瞬速家電修理社」には、怪しげな修理員がいた。
彼の名は家山電(いえやま あかり)。アンヌのパソコンを直しながら、彼女の職業や生活習慣を次々に言い当てる電に、アンヌは捜査への協力を依頼するのだが…?


原作は藤見泰高。同じく彼が原作を担当している「ベクター・ケースファイル 稲穂の昆虫記」が、前から気になっていたのだけど、迷っているうちに10巻くらい出てしまって…大人買いするには勇気がいる感じに…。
代わりに、と言ってはアレだけど、既刊3巻なこちらの方を買ってみました。

以前感想を書いた「冷蔵庫探偵」
佐藤いづみ 「冷蔵庫探偵 1」 - 本条蔵 -ホンジョウゾウ-
みたいなものを想像していたのだけど…ほら、「現場に残された家電を一瞥して、犯人を言い当てる」という「出張安楽椅子探偵」みたいな?

でも、実際はもうちょっと娯楽寄りというか。
「家電から犯人のアタリをつける」のはその通りなのだけど、「家電屋仲間の裏掲示板から、該当家電購入者の情報をゲットする」とか、「家電知識をフル活用してコスプレ衣装作り、それをまとっておとり捜査をする」とか、イロモノ臭もふんだんに盛り込まれております。
逮捕の際も、犯人は基本フルボッコ!

家電にまつわる豆知識やトリックは面白いし、もうちょい「正統派」なタッチの方が好きなんだけどなぁ。
そりゃまぁ、ナイスプロポーションのおねえさんが毎回戦うっていうのも、それはそれで好きなんですけど。出来れば別々に楽しみたい派。

2巻以降を購入するかどうかは微妙かな。
おもしろいんだけど。おもしろいんだけど、ソウジャナイ感が。

山田章博 「BEAST of EAST 4」

BEAST of EAST (4) (バーズコミックス デラックス)

BEAST of EAST (4) (バーズコミックス デラックス)

幼なじみである少女・藻(みくず)が、帝に召されて数年。
かつての少年・鬼王丸は、藻が変貌を遂げた謎を追いながら、今では歓楽街の「顔」となるまでに成長していた。
一方、名を「玉藻前(たまものまえ)」と変えた藻は、帝の元を離れ、東国は平家の元に身を寄せていた。
お家騒動に揺れる平家であったが、ついには将門が「新皇」を名乗り、乱れた国を立て直すべく、朝廷勢力と対峙する決意を固める…。

一コマ一コマが美麗で、繊細で、漫画であって画集であるような、素敵なビジュアルです。
…まぁ、コマ割りや文字が独特で、若干読みづらいところもあるのだけれども。
そんなふたつの意味で、「サラッと読み進める」のは難しい作品。
いいじゃないか、4年振りの新刊なんだ(3巻は2007年、4巻は2011年)。時間を掛けて味わわなきゃ勿体ない。

閑話休題。
鬼王丸サイドは、「玉藻前」の正体を突き止め、彼女を倒す武器を探すべく奔走する。
玉藻前サイドは、平将門の乱に突入する。
そんな一巻。

鬼王丸が 異邦人や魔術使いたちと幻想ファンタジー大冒険を繰り広げつつ、「安倍晴明」「蘆屋道満」「玉藻前」という平安の大スターたちが陰陽大戦を繰り広げつつ、平家では恋と戦が複雑に絡み合う展開に。

鬼王丸は、ホントいい男(しかもチョイ悪)に育って惚れ惚れする!
彼の周辺の人々(とか人間じゃないのとか。どちらかというとそっちの方が多い)も、良い意味でくせ者揃いだしな。そんなくせ者たちに愛されるお頭、鬼王丸。たまらんね。

爽快な鬼王丸サイドに対して、平家サイドは…。
お転婆娘の桔梗が、慕ってやまない「従兄さま」こと将門のために、自分の中の「女」を押し殺して戦いに身を投じる様が、もう…。今巻のヒロインは彼女だね…。

第1巻が発売されたのは1999年。途中で出版社が変わったり、色々あってこのペースとなっています。
私が初めて山田章博さんの絵に触れた「十二国記」(作:小野不由美 挿絵:山田章博)の方も、最新刊「華胥の幽夢」が出たのが2001年だったりしますが、どちらも気長に、でもとても楽しみに待っています。

イベント 「イングリッシュ・カーニバル 2012 WHEN I GROW UP, I WANT TO SING!」

大好きなお母さんのために、ケーキを焼くことにした、お父さんと子供たち。
ケーキを焼いている間、末娘のソネスは「大きくなったら歌手になりたい」と言い出すのですが、他の兄弟たちはそれを聞いて笑います。
兄弟は、それぞれに自分の夢を語り始め、「ケーキ職人になろうよ!」「一緒に医者を目指そう」など口々にソネスを誘うのですが…。

「ディズニー英語教材」こと「ワールド・ファミリー」の週末イベント。別名を、ディズニー英語ディズニー抜き。要するに英語。英語ミュージカル。

幼児英語教材「ディズニーの英語システム」 | ワールド・ファミリー・クラブのイベント | DWE (Disney's World of English)

お父さん役であり、脚本担当でもあるマーク先生は、今回(5/19)の公演をもってミュージカル出演を引退するとのこと。25年間、お疲れさまでした。
時間に余裕を持って会場入りしたので(開演の20分前くらいに着いた)、ロビーに響く「こちら、マーク先生との握手&写真の最後尾でーす」の声に大人しく列んだ……けど、想像以上に列が長かった!開場までに列の半分くらまでしか進まなかった!残念。

「上演時間は約1時間半あるけど、2歳の息子はずっと座っていられるだろうか…」とか「そもそもミュージカルって形態を楽しめるだろうか…」とか「親、つまり私はどうなのよ…英語よ…?」とか、色々と不安を抱えながら迎えた開演。
結果的には、大丈夫だった。その理由はおそらく、

  • ミュージカルで使われている楽曲の半分以上が、ディズニー英語教材(DVDとか)の歌の替え歌。主語だけ差し替えてある、くらいの替え歌なので、なんとなく意味が分かるし、耳にも馴染んでる。
  • 知らない楽曲も多少織り込まれてることによって、逆に、知っている歌がかかると「…あっ!これ知ってる!」ってなる。メリハリが生まれるんですね。
  • 義父&義母に同行をお願いしたので、「子供がちょっと飽きてきたら、義母の膝に移動させる」とか出来た。

…三つ目大事。私一人だけだと、たぶん最後の三十分は持たなかっただろうなぁ。
最終公演だというスタッフ一同の情念のせいか、かなり時間が押し気味だったのだった。最後の方に「マーク先生へのビデオレター集」などもあったしね。
なんだかんだで、閉演時間は予定より50分くらい遅かったもの。

といっても、「マーク先生、ありがとう&さようなら」関連が(大人にとって)退屈だったかというと、そういうことではなくて。
末娘役の女優さんが、最後の挨拶で「大きくなったら、私はマーク先生になりたい!」と言ったときには、ちょっと涙腺が緩んでしまったりもした。

…とはいえ、裏を返せば、「DVD教材の歌を知らない」「マーク先生?どなた?」状態の義父母には厳しいイベントだったのかもしれず…。
イベント後、義母は「内容はわかんなかったけど、歌声が良かったよ-。楽しかったよー」と言ってくれてはいたけれども。

個人的に、最近、趣味の詩歌をもうちょいちゃんと勉強し直したい(というか今まで独学だったので、ちゃんと勉強を「始めたい」というのが正しい…)と思っていたタイミングだったので、ミュージカルのテーマには色々と感じ入るところがありました。
「夢」というほど大げさなものじゃなくても、なんかこう、「何かやり遂げたい」感というか。色々。

それはそうと、劇中で使われていた食パン型クッションがとても可愛かったのでメモしておきます。
たぶんこれと同じタイプ。
300円均一ショップが楽しすぎた! - ごきげんな日々とそうでもない日々。

あと、ついでにこっちもメモしておくよ!パンつながりだというだけで、もはやイングリッシュ・カーニバル関係ないけど!
食パン座椅子シリーズ「食パン形クッション」座布団やオットマン:pan-cushion:ソファーメーカー直販店・和楽 - Yahoo!ショッピング - ネットで通販、オンラインショッピング
座椅子 食パン: ソファ・座椅子・クッション - 【ニトリ】公式通販 家具・インテリア通販のニトリネット

えすのサカエ 「ビッグオーダー 2」

十年前、世界は謎の大破壊現象によって一度滅亡しかけた。
多くの犠牲を出しながらどうにか持ちこたえた この世界には、それ以降、「能力者(オーダー)」と呼ばれる特殊能力者が次々に現れるようになった。その数は、世界中で約二千人と言われている。
そんなオーダーのひとり・星宮エイジは、九州のオーダー集団「十人衆」に脅迫され、「新世界の王」として世界に宣戦布告する羽目になってしまのうだが…。

自分の能力によって「大破壊」を引き起こしてしまったという負い目をもつ少年・エイジが、傀儡の王となってクーデターを起こす、能力者バトル漫画です。

2巻では、本州攻略の手始めに、山口を統べる石化のオーダー「猛々しき石神(ヘヴィロックスター)」を倒す計画が発動します。
…ネーミングの厨二臭には突っ込んだら負けなのです。というか、「十人衆」の構成員も「柊義経」とか「鳴神弁慶」とかだからね!

強力な敵オーダーをどうやって倒すか、という頭脳戦・能力戦も見物なのですが、それ以前にまず「誰がエイジの敵なのかわからない」。
エイジは、「十人衆」直下の少女・紅鈴(くれない りん)と行動を共にしているものの、彼女は「十年前の大破壊で家族を失い、その仇であるエイジに復讐することを公言している」かつ「エイジの能力による縛りを受けたため、エイジを直接は傷つけられない」という非常に危ういポジションで。隙あらば主人公を殺りたいヒロイン。前作「未来日記」のヒロイン・我妻由乃とはまた別の意味で、非常に病んでる感じです。

そんなこんなで、言わば非常にとっちらかったバトルなのですが、パワーがあります。
主人公・エイジも、「負い目を抱えて」はいるけれども、思い切りがよくて度胸もあるので、これまたパワフルな感じ。

松井優征 「暗殺教室 1」

暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)

暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)

進学校・椚ヶ丘中学校の落ちこぼれ組である3-Eを担当することになったのは、謎の生物。
その生物が「地球を破壊する」と予告した来年の3月までに、生徒たちは彼を暗殺しなければならない。
しかし、通常の武器が効かない上に、複数の触手を自在に動かし、マッハ20の速度で移動できるというその生物を、普通の中学生が倒せるのだろうか…?

「暗殺教室」で教鞭をふるうのは、「超生物的な何か」。
殺せない先生、略して「殺せんせー」と呼ばれるようになったソレと、様々なコンプレックスを抱える3-Eの生徒たちの、フザけた、それでいてどこか心温まってしまう日々を描いた、ブラックな作品です。

「殺せんせー」は、教師としては極めて有能で。
マッハ20を出せるくらいなので、クラス全員に個人指導をするくらい朝飯前であり。
しかも、「勉強の指導」だけではなく、「暗殺の指導」も行い、更に「生徒指導(カウンセラー)」まで出来てしまうマルチっぷり。
生徒が銃を発射しても、玉を避ける片手間で その生徒にネイルアートを施してしまうくらいの規格外、まさに化け物です。

対する生徒たちは、始めは戸惑っていたものの、徐々に「ダメな自分たち」から目を背けないこと、色んな意味で「全力でぶつかること」「戦うこと」を意識し始めます。

どう考えてもギャグなんだけど、ヒューマンドラマでもあり。
面白いです。

先生にはわからないよね
皆から暗殺の標的にされるって事は…
裏返せば皆に実力を認められているって事だ
そんな怪物に
期待も警戒もされなくなった
認識さえされない人間の気持ちなんて